プロフィール

中山 市朗                         nakayama03

兵庫県朝来市竹田出身の怪異蒐集家、オカルト研究家、作家。

1982年、大阪芸術大学映像計画学科卒業。
映画監督になることを志し、和泉聖治監督『魔女卵』などの助監督を経験。
1984年、黒澤明監督の日仏合作映画『乱』の制作が動くニュースを見て、これまで日本映画に無かったメイキング・ビデオの企画を提案。ヘラルド映画、黒澤プロダクションに持ち込み、日本映画界初のビデオ班を現場に実現させた。
自ら現場演出につき、姫路城ロケから編集作業までをビデオで取材する。ヘラルドポーニ『Making of 乱』、公開日にフジテレビで放送された『男たちの乱、女たちの乱』はこのとき撮られた膨大な記録の一部が使用された。
この記録は、デジタル化し、保存されている。

1990年、木原浩勝との共著で『新・耳・袋~あなたの隣の怖い話』(扶桑社)を出版。作家デビューする。
この書籍は、それまで漠然とあった怪談という分野に、体験談と思われる話だけにこだわった演出と、体験者たちの名前をAさん、Bさんなどと秘匿することで、実話系怪談とい新分野を開拓した。
また一冊に百話収録の百物語としての構成により、古来よりあった怪談の様式を復活させた、という側面もあった。
この頃より『爆笑GONG SHOW』『恐怖の百物語』『爆笑BOOING』『百綺夜想』(KTV)の番組構成、『バーチャル百物語』(OBCラジオ)の構成、パーソナリティなど、放送作家としての活動も始める。
1992年、『妖怪現わる~現代妖怪談義』(遊タイム出版)を出版。『歴史バラエティ』(NHK)などの番組構成を担当する。
1998年、『新・耳・袋』が『新耳袋~現代百物語 第一夜』としてメディァファクトリーより復刊。第二夜よりは書き下ろしとなり、全十夜のシリーズとなった。
『新耳袋』はこのとき初めて大きく評価され、ロングセラーとなった。また、1990年代末より起こったJホラーブームを牽引することになり、BS-i+キングレコードで『怪談新耳袋』としてドラマ化、映画化もされた。
中山自身も念願の監督デビューをこのシリーズで果たしている。
また、ジャニーズJrの「怖い日曜日」(NTV)の原作にもなっている。
1999年、京極夏彦、東雅夫、木原浩勝、そして中山によって『怪談之怪」を結成。この会は日本文芸界に怪談の復興をもたらそうというもので、ゲストを招いての怪談会、講座などを開催。月刊誌『ダ・ヴィンチ』誌上に掲載された。
2007年、メディアファクトリーより『怪異実聞録・なまなりさん』を出版。『新耳袋』では封印していた壮絶な祟り、呪いが展開する長編実録怪談であった。
2014年、久々の百物語形式で『怪談狩り~市朗百物語』『怪談狩り・赤い顔』をKADOKAWAメディァファクトリーから出版する。
怪談の基礎は語りから、という理念のもと、怪談を語ることを実践していて、テレビやラジオ、ライブ、ネット配信などを積極的にこなしている。
怪談ものの共著は他に『怪談~黄泉からの招待状』(新潮社)、『怪談之怪之怪談』『怪談実話系』『実話怪談コロシアム・群雄割拠の上方篇』(メディアファクトリー)などがある。

1991年、四天王寺建立1400年を前にして、四天王寺の某重要関係者より聖徳太子直筆の『未来記』なる巻物が存在することを聞かされ、以後、聖徳太子の研究にも没頭する。
神道、仏教、聖書の研究が必要となり、これがオカルト研究に結びつき、オカルト研究家としての活動もしている。
CS京都+KTVの番組『京都魔界探偵団』『京都魔界巡礼談』で、構成・演出・ナビゲーターを務め、京都太秦の「牛祭り」の貴重な映像を残し、あるいは陰陽師の事跡を追って福井県の「天社土御門神社本庁」や秦氏を追って、兵庫県赤穂市、
大阪府門真市の太秦、伏見稲荷など、あるいは元伊勢から京都某社に引かれるレイラインを調査するなど、古代史の謎に迫る貴重な映像、証言を残した。
著作としては、聖徳太子の謎を小説形式で記した『捜聖記』(角川書店)、聖徳太子は蘇我ではなく海部の皇子であるとの説を、四天王寺の伽藍配置の謎解きから、京都府の丹後半島へと実地調査したドキュメント形式で記した『聖徳太子・四天王寺の暗号』(ハート出版)がある。
また取材にはビデオカメラを持ち込んでいて、同時に収録した映像を「古代史探偵団」としてweb公開している。

上方落語と大阪に大いなる愛着を持っていて、その大阪に、クリエーターが必要との理念から、作家、放送作家の養成塾「作劇塾むを立ち上げ、自ら指導している。
アマチュア落語家として、桐の御加留斗の高座名を持ち、一門を形成している。

大学講座「日本人と怪談」「続・日本人と怪談」(京都造形芸術大学)
「竹内街道1400年記念フォーラム」(葛城市主催)
その他、「人間と宗教」「言霊思想」「仏教と怪談」などをテーマに各地で講演なども開催している。